小学校教員から学校事務へ転職して感じた「圧倒的な楽さ」の正体。元教員が経済的理由で教員に戻ったリアルな体験談
小学校教員Bさんから、以下の相談を受けました。

毎日終わりのない担任業務・校務分掌・保護者対応に追われて、私の心も体も限界です・・・。
教員として働く中で、Bさんのように悩んだことはありませんか?

私もそんな悩みを抱えていた教員の1人でした!
本採用教員として7年目になる2021年、私は1度教員を辞める決断をしました。
その後、学校事務職員(臨時採用)として1年間勤務し、現在は再び小学校教員(本採用)として働いています。
結論から言うと、教員から事務職員へ転職したとき、正直に言って「圧倒的に楽だ」と感じました。
自分のペースで仕事ができ、毎月・毎年同じルーティンが仕事の中心となる事務職の働き方は時間単価を高めやすい上に、残業代が「125%」でしっかり支払われるという事実は、働き方に対する納得感を大きく高めてくれました。
この記事は・・・
- 教員から学校事務職員への転職経験あり
- FP2級
- 簿記2級

上記のプロフィールをもつ私が!
事務職員と教員の両方を内部から見てわかった「給与・働き方・精神的負荷」のリアルな違いを全て公開します!
「今の働き方を変えたい」と願う先生方へ。
私の遠回りが、あなたのキャリアを考えるための判断材料になれば幸いです。

なぜ教員から学校事務への転職で「圧倒的に楽」だと感じたのか
教員にはない「精神的逃げ場」と業務の完了感
これは私だけなのかもしれませんが、教員として働いていると、1日のほとんど以下のことで頭がいっぱいでした。
- 今日の授業をどうするか
- 児童同士のトラブル対応(校内外問わず。学童でのケンカ・コンビニでの万引きなどなど)
- 校務分掌の段取りどうしよう
- 丁寧な対応を要する保護者とのコミュニケーション
- 管理職や関係職員への連絡報告忘れないように・・・
- 修学旅行の部屋決めで女子同士が揉めて保護者から問い合わせきた
- ・・・etc
完全に心が休まる瞬間というのがあまりなかったです。
終わったんだか終わってないんだか曖昧な仕事や、他人の感情というコントロール不能なものに消耗する毎日。あーやだ。
しかし、事務職員になった時、驚いたことがありました。
それは「誰の感情も気にすることなく自分の作業に没頭できること」に心地よさを感じたことです。
まさに事務室は心のシェルター!「精神的逃げ場」だったのです。

たまに事務室に電話がかかってくることがありましたが、それくらいは別に何のストレスでもなかったです。
この、静かな事務室で、誰かに振り回されることなく、自分のペースで仕事を完了させていける爽快感がたまらなく好きでした。
一見複雑に見える事務作業も、数字が相手なのでよく考えれば必ず解決できますし、解決するための相談相手もいました。(近隣の学校事務さんなど)
「共同実施」という、市町村内の事務職員で集まり、作成した事務書類にミスがないか点検する機会もありました。
事務職員は仕事に関する障壁を解決のための具体策が明確なところもストレスフリーでした。
それに比べて教員の仕事は児童や保護者など「コントロール不能で解決までの見通しが立ちづらい仕事」が多くて、非常にストレスフルだと感じます。

先生方から感謝される嬉しさ
私が学校事務職員をやってみようかなと思ったきっかけは
「大変な労働環境で働いている先生方の助けになりたい」というものでした。
教員という職を離れ、事務職員になることで、同じ学校内にいながら教員という仕事の忙しさを客観的に見て感じました。
先生方は本当に余裕なく働いています。
トイレに行く暇もなく働いています。
そんな先生方の力になりたいな。と思いました。
給食費含む会計処理や、税金関係、物品購入関係で先生方から依頼された仕事をとにかく誠意をもってすぐやると、先生方から「助かりました!ありがとうございます!」と言ってもらえることはとてもやりがいになりました!

当時の職場は、一緒に働いていて、とても気持ちの良い先生ばかりでした!
毎年リセットされない「ルーティン業務」の安心感
小学校教員時代、いつも感じていたのは業務の幅が多岐に渡りすぎることでした。
1年生から6年生の、ほぼ全教科を指導するというのは本当に若手殺しなシステムです。
今年覚えた仕事が来年役立たないことが多いのは本当に絶望します。
事務職員は、仕事のほとんどがルーティンワークなので、一度覚えてしまえば日が経つにつれ仕事がどんどん快適に進むようになるので、とても気持ちが良かったです。
残業代「125%」の衝撃。

教員のみなさん知ってました!?学校事務職員って、時間外勤務に対して給料の125%の時間外勤務手当がつくんですよ!!
これ、実際にもらったときはけっこう衝撃でした。
教員はいくら働いても残業代が出るなんてことはありません。そうゆう給与体系になっているからです。
20代の頃は毎月残業時間が100時間を越えており、それに対して残業代が一切発生しないことに沸々と不満は溜まっていました。
仕事は増やしてくるくせに”帰れる時に帰ってください”という、「言われなくてもうそうするわ!」案件なセリフを定期的に吐いた上で、私たち教員の残業全てを「自主的勤務」として労務管理を一切しようとしない管理職を呪っていました。

私が時間外勤務月120時間を超えて体調崩しかけたとき、管理職に相談したら「家に食洗機買うと時短になっていいよ」って言われたことあります。
事務職員は教員と比べて業務の負担感は低い分、給料も低いですが、時間外勤務手当125%を加味すると、十分納得感のある給与体系のあり方だなと思いました!

給与以外の福利厚生は教員とほぼ同じ
学校事務職員の加入している社会保険は教員と全く同じ
「公立学校共済組合」
です!
怪我や病気で病院にかかることがあっても、超絶手厚い金銭的補助があるため、治療費はかなり安く済みます!

詳しくは以下の記事を読んでみてください!

その他
- 年次休暇、夏季休暇、病気休暇など、休暇や休業関係の条件
- 通勤手当、扶養手当、住居手当など手当関係
なども同じでした!
※注釈:特有の責任はあるが、コントロール可能
もちろん、学校事務の仕事が全て「楽」なわけではありません。会計に関わる部分や人事に関わる部分の責任は重く、年度末や年末調整の時期など繁忙期には時間外勤務が発生します。
しかし、教員時代の「予測不能な児童のトラブル」や「メンタルも時間もすり減らす保護者対応」という、自分の努力ではどうにもならないストレスと比べたとき、事務職のプレッシャーは「自分の努力やシステムで解決可能な範囲内」でした。
私にとっての「楽さ」とは、自分にコントロールの権利があったかどうかなのです!
以下は個人の体験談ですけど・・・

教員辞めて事務職員に転職したとき、慢性的な頭痛とか腰痛とか、うっすら続いてた体調不良がスッと消え去ったことにふと気づき、あー良かった。って思ったと同時に、教員の頃ヤバい働き方してたんだな・・・ってゾッとしたのを鮮明に覚えてます。
事務職で役立ったスキル

あると役立つという意味で、なければいけないわけではありません!
日商簿記
電卓を使い慣れていたというのが非常に役に立ちました。
学校事務職は経理的役割を担うため、数字にミスがあってはいけない。
簡単な計算でも必ず電卓を叩いていました。
自治体の採用に関わる面接でも
「簿記2級をお持ちなんですね!であれば、事務の仕事もすぐに覚えられますよきっと!」
と採用担当の方からはウケが良かったです!

ファイナンシャル・プランナー
FPで学んだ税金関係の知識が業務に生きる瞬間がかなりありました。
特に「年末調整」は所得税に関する処理です。
- 給与所得控除
- 扶養控除
- 生命保険料控除
- 小規模企業共済掛け金等控除(iDeCo関係)
これらは全てFP3級及びFP2級で学習済みだったので、実務を通して

へぇ〜!おもしろ!
と感じながら処理できました。
また、先生方は日々本当に忙しくされる中での年末調整があるので、相談に乗ってあげると、ものすごく感謝してもらえて、なんだか私もハッピーでした。
それでも「教員に戻る」しかなかった理由
臨時採用と本採用
学校事務職員は本採用としての採用に年齢制限をかけている自治体が多いです。
私の勤務している自治体は、大卒の場合30歳未満の人しか学校事務職員の採用試験を受けることができません。
当時の私は既に32歳だったので、採用試験を受けて本採用の事務職員になることはできませんでした。
臨時採用だと、どうしても雇用が安定しないことも事実です。
実際私が教員に戻った2年後に、私が事務職員をしていた自治体では臨時採用の学校事務職員の雇用がかなり減らされたことがありました。
家庭と将来を守るため
給与に関しては、教員の方が圧倒的に高いです。
年収で言うと、160万円くらい下がりました!
学校事務になったことで、教員と学校事務の給与について詳しくなったことで

事務職は楽しいけど、年齢を重ねるほど、教員の昇給額の方が高くなっていくんだよなー。
ということにも気づきました。
お金と子育てのバランスをどうやったら保っていけるか妻と何度も相談を重ねました。
当時は妻も本採用教員だったのですが、子育てとの両立で悩み、本採用教員を退職しました。
妻は現在は在宅フリーランスとして動画クリエイターをしています。
- 子供の教育費の捻出
- 住宅ローン等の月々の出費
- 自分たちの老後資金
等を考えた時、私が本採用教員としてもう一度働くことが家族にとっての最適解でした。

本採用で戻った今、感じる本音

たぶん私、教員より事務職員の方が向いてるんだと思う。
事務職員と比較して、給料は教員の方が圧倒的に高いのですが、体力的・精神的・時間的な負担はそれ以上に高いと感じながら現在は教員として働いています。
公立学校教員の働き方と給与は「給特法」という特別な法律によって決められています。
「給特法」という法律があるために、時間外勤務が生じても残業代を支払わなくて済むので使用者側にコスト意識が生まれず、時間外労働へのブレーキがかかりづらい仕組みになっています。
改めて、教員って危険な働き方させられてるよなーと思います。
本音を言うと、経済的な問題さえクリアできれば、学校事務職員に戻りたいなと思う瞬間も多々あります。
教員を辞めたいあなたへ
事務職員は楽。でも、何を優先する?
私個人としては、経済的な問題、つまり「お金が足りない」問題さえクリアできるなら、学校事務職員の方が健康で文化的な人生を送れるなと感じています。
一方で、教員の年収は日本全体の平均年収と比較しても高い水準というのも事実です。
日本社会全体の平均年収が470万円程度なのに対して、公立学校教員の平均年収は650~700万円程度あります。
学校事務職員は、ちょうど平均値くらいの年収になります。
金銭的な豊かさをとるか、働きやすさをとるか。
何を優先するかで選択は変わってきますね。
一時的な避難先としての事務職はアリか

全然アリ!
ただし、教員と違って事務職員は各校1〜2人配置であり、採用枠に限りがあるのがネックでもあります。
それでも、教員としてのキャリアについて悩んでいる方にとって、学校事務職員という仕事は魅力的でな仕事だと感じます。
また、2026年現在、教員採用試験の競争倍率は歴史的な低水準です。
関東圏では倍率2倍を割ってしまっている自治体もあります。
私が現在勤めている自治体付近の小学校現場では、どこもかしこも教員が足りなくて数年前からずっと人手不足です。
4月に担任が配置できない。なんて学校も出てきているくらいです。
教員のブラックな労働実態が世間の明るみに出て、若者を中心に志望者が激減しているのです。
そんな状況だったので、教員免許さえあればいつでも臨時採用として教員に戻れますし、一度退職しても、試験対策に真面目に取り組めば合格できる自信がありました。

実際、一度退職した自治体で採用試験を受け直して一発で合格でしました。
どうやって事務職員になれたの?

具体的には、きくさんはどうやったら事務職員に転職できたんですか?

私の場合は友人からの紹介→採用窓口に電話という流れでした!
教員をやっていた頃から仲良くしていた事務職の友人から
「事務職員の枠があるから電話してみなよー!」
と紹介されたことが始まりでした!
そこからは自治体の教職員採用窓口に電話等で連絡して、面接を通して採用が決まった流れでした!
キャリアの遠回りは無駄ではない

比較することで相場感を養うって大切ですよね!
民間企業で働く方々の中では今、新卒で勤めた会社で定年まで働き続けるというスタンスは古いものとなっているようです。
「置かれた場所で咲きなさい」
ではなく
「咲ける場所に移動しなさい」
が現代の価値観にはフィットしていると言えます。
私も事務職員に転職した理由の一つが「軸ずらし転職」を狙ったものでした。
軸ずらし転職とは、今までの「業界」か「職種」のどちらか一方だけを変える転職方法です。
たとえば「アパレルの販売員(職種)が、アパレル会社(業界)のままWebマーケター(職種)になる」か、「アパレル販売員(職種)のままIT企業(業界)へ移る」方法です。
片方の経験を活かせるため、全くの未経験に比べて採用されやすく、年収を上げやすいメリットがあります。
私は教員として「学校」に勤めていました。そこから学校という業界は変えずに「事務職員」という職種に転職しました。
次に他業界の「事務職」や「経理」などの転職をして年収を少しずつ上げていく狙いもありました。
教員という仕事は公務員なので「安定」というイメージが強く、退職には大きな精神的ハードルがあったことも事実です。
しかし、ほんの少しでも外の世界に踏み出し、教員以外の仕事を経験することで見えてきたものがたくさんあったことも事実です。
教員という仕事が自分に合っているかどうかも、本当は他の仕事体験との比較を通してわかるものなのかもしれません。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
最後に、経済的自立ができれば(要はたくさんのお金があれば)転職へのハードルってかなり下がります。
別に年収高い仕事にこだわる必要がなくなりますからね。
経済的自立が自由な人生を送るためのカギであることは揺るぎない事実です。
教員の方でまだ資産運用を始めていない方は、ぜひ以下の記事を読んで経済的自立への第一歩を踏み出してほしいと思います!


お金について学ぶなら以下の書籍が1冊目にはとてもおすすめ!
